2011年12月15日木曜日

簡単なマインドフルネス練習の喫煙に対する効果 for Swedish college smokers

私自身久々のUPですが,良い子のみんなは元気だったかい?
さて…


Psychology of Addictive Behaviors, 2009, 23, 666-671.
Surfing the Urge: Brief Mindfulness-based intervention for college student smokers.
Bowen, S., & Marlatt, A.




【目的】
簡単なマインドフルネスの訓練がネガティブ感情,喫煙関連衝動,喫煙行動に与える影響の検討。


【方法】
参加者
123名(男性90名,女性33名,平均年齢=20.33名)の大学生が無作為に2群に割り付けられた。参加者は18歳以上で,喫煙者で,喫煙をやめるor減らすことに関心はあるが,最近禁煙プログラムに参加するといったことはない


アセスメント指標
アセスメントは8回実施:①実験前,②-⑤キューエクスポージャーの4stageの各セッション,⑥実験後,⑦実験24時間後,⑧実験7日後。
The Smoking and Quitting History questionnaire(Shadel & Shiffman, 2005):過去1年間の禁煙・喫煙歴
Fagerstrom Test for Nichotine Dependence-Revised(Heatherton, 1991):喫煙週間と依存度
PANAS:ネガティブ感情とポジティブ感情
The short form of the Questionnaire of Smoking Urges(QSU-brief; Cox et al., 2001):喫煙衝動
喫煙行動:喫煙数など


手続き(実験は約1時間半)
参加者は,実験前の12時間は喫煙を控えるよう指示された(80.3%の参加者が少なくとも12時間(平均17.20±13.19時間)の禁煙を行なっていた)。


キューエクスポージャー(CE)(各stage4-6分実施):
①タバコをバックから取り出して,袋を開けるよう指示
②自分の前にある机の上にタバコをおく
③口にタバコをくわえる
④タバコに火をつけずに,タバコにライターをくっつける。


CE実施後に,両群とも喫煙関連衝動のアセスメント(2-3分)を行う。


統制群:衝動に対処するため普段使用しているテクニックを使うよう指示。CE中通じて,今まで用いてきたテクニックを使うよう繰り返し支持される。


マインドフルネス群:価値判断することなく,意図的に現在ある感情,感覚,思考をアクセプトするよう指示される。また,思考等を変えようor取り除こうとするのではなく,しっかりと注意を払うよう指示される。最後に,〝urge surfing〟の教示(衝動の強さの変動に乗る→衝動を波ととらえ、衝動と戦うor屈するというよりもむしろ,この波が自然に満ち引きを繰り返すように,波乗りをすることをイメージする)が与えられる。


【結果】
操作チェック:衝動の主効果が有意→キューエクスポージャによって衝動が増加した。
一方で,衝動に対する群の主効果は有意ではない。


7日後のフォローアップ時において,喫煙数/日に与える治療の主効果は有意で,マインドフルネス群はベースラインと比較して-1.55本,統制群は-.53本であった。事後検定から,マインドフルネス群では治療前と7日後の間で喫煙数が減少したが,統制群ではそうでもなかった。Moderated Regression analysisの結果,マインドフルネス群への参加(衝動に対する捉え方を変えること)は,ネガティブ感情と衝動の間の関係を抑える


簡単なマインドフルネスの訓練+キューエクスポージャーによって,喫煙行動を変化できる可能性。


依存症(DSM-Vでは嗜癖および関連障害に変更されることになっている)関連で頻出する〝urge surfing〟をよく用いるが,ここで書いてあるのはあくまで簡単な紹介です。詳しく知りたい方はMarlatt, G.A. (1994). Addiction, mindfulness, and acceptance. In S.C. Hayes, N.S. Jacobson, V.M. Follette, & MJ. Dougher (Eds.), Acceptance and change: Content and context in psychotherapy (pp. 175-197). Reno, NV: Context Press.に。



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