2011年8月18日木曜日
マインドフルネスと衝動性
過疎気味なので、久々にアップ。
これから頑張ります。
A Preliminary Investigation of the Relationships Between Dispositional Mindfulness and Impulsivity.
Peters, Erisman, Upton, Baer & Roemer (2011) Mindfulness (published online)
BPDや薬物依存、摂食障害などにDBT(弁証法的行動療法)が用いられているように
マインドフルネス・スキルは衝動性に関連すると思われる。
【目的】
マインドフルネスと衝動性の関連は?
ネガティブ情動や症状の影響を統制しても、両者の関連は維持されるか?
研究Ⅰ
Barratt(1993)び衝動性の概念化に基づいた(BIS-11: Patton et al, 1995)を使用。
1)行動の衝動性
2)注意の衝動性
3)計画性の無さ
加えて、マインドフルネス(MAAS, FFMQ)とネガティブ情動性(PANAS)を測定。
対象は、大学の学生、教員、スタッフを含む347名。
【結果】
FFMQ-observe以外は、BIS-totalとネガティブ相関。
PANASを統制しても、FFMQ,-nonjudge以外(describe, act aware, nonreact)は、
BIS-totalとの相関を維持。
細かく見ると、FFMQ-nonreactは、注意の衝動性や行動の衝動性と無相関。
MAASやFFMQ-act awareやFFMQ-describeは、
PANASを統制しても、BISとの相関が高いまま(r=-.39, -.44, -.37)。
【考察】
MAAS, act awareの項目は、注意の衝動性と概念的に重複するが、別概念。
内的体験が行き交うのを許容することで(non-react)、衝動的でない行動が促進(non-planning)。
内的体験のラベリング(describe)は、衝動的でない方法で反応する能力を促進(BIS-total)。
研究Ⅱ
Whiteside & Lynam(2001)の衝動性の概念化に基づいたUPPS-P(Lynam et al, 2007)を使用。
UPPSのうち、計画性(premeditation)、忍耐(perseverance)はBIS-11とかぶる。
UPPSにはさらに、刺激希求性(sensation seeking)と緊急性(negative, positive urgency)が含まれる。
【方法】
対象者 大学生227名
尺度 FFMQ, UPPS-P, DASS(うつ、不安、ストレス)
【結果】
ネガティブな緊急性は、act-aware, nonjudge, nonreactと関連。
忍耐は、describe, act aware, nonjudgeと関連。
計画性は、nonreactと関連。
これらの相関は、DASSを統制しても維持された。
【考察】
マインドフルネスに欠けると、ネガティブな情動に反応しやすく(negative urgency)、
不快なものに直面したときに、目標行動を維持できない(perseverance)。
【総合考察】
act with awarenessは衝動性と大きく関連する。
⇒進行中の活動への気付きは、ネガティブな情動やストレスが生じたときにも
行動をうまく制御するために一役買うのかもしれない。
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