2011年6月14日火曜日

GADの情動制御モデル

Mindfulness and Emotion Regulation Difficulties in Generalized Anxiety Disorder:
Preliminary Evidence for Independent and Overlapping Contributions
Roemer, Lee, Salters-Pedneault, Erisman, Orsillo, Mennin Behavior Therapy 40 (2009) 142–154


GADの未来志向や内的体験(心配や情動反応)をネガティブに判断するという特徴は、
マインドフルネスの概念と整合する。

【目的】
GADとマインドフルネスの関係性はまだ実証的に検討されていない。
GADに対して、マインドフルネスと情動制御困難性の重複・独立した影響は?

研究Ⅰ 大学生395名
・Difficulties in Emotion Regulation Scale (DERS)
・Mindful Attention Awareness Scale (MAAS)
・Self-Compassion Scale (SCS)
・Penn State Worry Questionnaire (PSWQ)
・The Depression, Anxiety, and Stress Scales-21(DASS-21)
・Generalized Anxiety Disorder Questionnaire-IV(GAD-Q-IV)

【結果】
・DERSとMAAS, SCSの負の相関(r=-.48, -.68)。
→情動制御(DERS)とマインドフルネス(MAAS, SCS)のoverlap。

・重回帰 first step (gender, DAS), second (MAAS, SCS, DERS)⇒GAD-Q
DASSをコントロールしても、3変数はそれぞれGAD-Qに影響。

・DERSをsecond, MAAS, SCSをthirdにした重回帰。
   DERS(.25 → .11)
・MAAS, SCSをsecond, DERSをthirdにした重回帰。
   MAAS(–.21 → –.19), SCS (–.19 → –.13)

⇒マインドフルネスと情動制御は、重複部と独立部を持つ。
  これらは、おそらく双方向に関連する。

研究Ⅱ 臨床群16名

・臨床群と統制群の間で、MAAS, SCS, DERSの有意差。

・MAAS, SCS, DERS予測変数、群を従属としたロジスティック重回帰。
→全体のモデルは有意、変数は有意差なし。

⇒臨床群でも、マインドフルネスと情動制御はGADと関連する。
ただし、サンプルが少ないため、変数間の交互作用は不明。

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