2011年6月30日木曜日

痛みの破局化がもつ媒介効果を不安感受性が調整する

【目的】
激しい運動が痛み反応に与える効果をを痛みの破局化が媒介するか。
そして,激しい運動と痛みの破局化の関係を不安感受性が調整するか。
【方法】
参加者:79名の若年成人 (女性52%, 平均年齢=20.1±2.8歳,平均BMI=22.6±3.3)
※除外基準:慢性疼痛,高血圧の薬の服用,循環器疾患・心臓血管系疾患,妊娠,メタボや神経疾患,鎮痛薬や抗うつ薬の服用,精神疾患の罹患

調査材料:
①GLTEG:運動の強度
②BDI:抑うつ症状
③PCS:痛みの破局化
④SsPCS:場面特異的な痛みの破局化
⑤ASI:不安感受性
⑥SF-MPQ:痛み強度

手続き
コールドプレッサー課題前後に調査材料へ回答

【結果】
激しい運動と痛みの評価の関係を状況特異的な痛みの破局化が媒介。

激しい運動→痛みの強度(β=-.15)状況特異的な痛みの破局化→痛みの強度(β=.56)

激しい運動が状況特異的な痛みの破局化に与える影響は,不安感受性の程度によって調整。
(不安感受性高い場合:β=-.34, 中程度の場合:β=-.16,低い場合:β=.03)

※これらの結果は,コールドプレッサーで手を冷水に浸していた時間,抑うつ症状,性別の影響を統制した上で有意。


運動が痛みの知覚に与える影響は痛みの破局化が媒介するが,運動が破局化に影響を与えるかどうかは不安感受性の程度によって決まる。

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