2011年4月6日水曜日

Metacognitions in Desire Thinking

Metacognitions in Desire Thinking: A Preliminary Investigation.
Caselli, G., & Spada, M. M.
Behavioural and Cognitive Psychotherapy, 38, 629-637.

【目的】
信念が,依存症,摂食障害,衝動制御障害を抱える人々の欲望思考(desire thinking:DT)に影響する/抑制するメカニズムの検討。詳しくは,DTについてのメタ認知的信念の内容の特定,DTの目標の検討,DTの間の注意の焦点やDTが衝動に与える影響の検討。

【参加者】
アルコール依存,神経性大食症,病的賭博,煙草依存の診断をうけた24名(男性10名,女性14名)が参加。包括基準は,研究参加に同意した18歳以上の者で,イタリア語を理解でき,他の1軸or2軸診断を合併しておらず,過去にCBTを受けたことがない者。

【手続き】
全参加者は,約30分のthe metacognitive profiling interviewを行った(Wells, 2000)。面接では以下の5つの領域を引き出すよう行われた(DTの存在と内容,DTに関するメタ認知的信念,DTの目標,DT中の注意の焦点,DTが衝動に与える影響)。

【結果】
DTの2つのトリガー(ネガティブな情動,思考:14名,関連する外的なターゲット(刺激))が存在。
ポジティブなメタ認知的信念
→①ネガティブな思考や情動のコントロール
②興奮やモチヴェーションという形でのポジティブな感覚の増加
③行動に対するエグゼクティブ・コントロールの増加
④目標の達成の仕方を計画するのに役立つ
といった,DTの有用性に関係する信念。

ネガティブなメタ認知的信念
→①DTに従事することで引き起こされる行動に対するエグゼクティブ・コントロールを失う
②DTを制御することができない
③自己イメージに対するDTのネガティブな影響,認知的パフォーマンスに対するネガティブな影響

DTの目的
→①ネガティブな情動や思考の減少,②満足感やポジティブな感覚の達成。
しかし,DTの目的に関して,全参加者は,その目的が達成されたかどうかを知る方法を知らない。

注意の焦点
→(ネガティブな)情動状態と外的な文脈の間をシフトし続けている。

DTの衝動に与える影響→すべての参加者が増加すると回答。

【補足】
Desire Thinkingという言葉自体は比較的新しいかもしれないが,トリガー→「リスク状況」,ポジティブorネガティブなメタ認知的信念→「対象に対して抱く期待」といったように,既存の概念と似ている。

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