2011年4月21日木曜日

EMDRとmindfulness.


EMDR and Mindfulness. Eye movements and attentional breathing tax working
memory and reduce vividness and emotionality of aversive ideation
van den Hout, Engelhard, Beetsma, Slofstra, Hornsveld, Houtveen, Leer
Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry(2011) in press(online)

【序論】
EMDRとMBCTの共通点は,
関連のない課題を遂行しながら,ネガティブな思考やイメージを想起すること。
つまり,eye movement(EV)やattentional brething(AB)が2重課題となってること。

【目的】
(1)ABはワーキングメモリ(WM)にどの程度負荷を与えるのか?
聴覚刺激へのReaction Time Test(RTT)を利用。
条件: RTT+AB vs RTT only

(2)ネガティブな記憶の想起がEMやABに付随したときに,
ネガティブな記憶に対する鮮明さや情動性は減少するのか?
条件:Recall only, Recall+AB and Recall+EM.

(3)EM・ABの負荷(RT slowing)が,EM ・ABの記憶想起の鮮明さと情動性を予測するか?

【実験Ⅰ】
high, lowトーンの聴覚刺激の弁別課題を行う。
RTT+AB, RTT+EM, RTT onlyの3条件を測定。
               ↓
嫌悪的記憶を3つ想起してもらい,鮮明さと情動性を評定。
               ↓            
Recall+AB, Recall+EM, Recall onlyの3条件で記憶想起
               ↓
       鮮明さ・情動性を評定 

【方法】
・参加者 大学生36名
・手続き EM…実験者が手を振る/AB…お腹に手を当てて,呼吸を観察。

【結果】
(1)分散分析の結果,
AB=EM>RTT でワーキングメモリの負荷が確認された。
(2)時期(pre vs. post) ×群(Recall, EM, AB) の分散分析
・鮮明さ EM>RTT
・情動性 AB=EM>RTT
(3)RT(条件RT - RTTonly)と 、鮮明さ・情動性(条件RT - Recallonly)の相関
EM, ABいずれも有意ではない。

【実験Ⅱ】
実験Ⅰの問題点を改善

・完全なカウンターバランス(疲労の効果を統制)
・刺激のインターバルを用いたシンプルRTT
・教示:正確さを求めず,早さのみに
・試行数の増加
・EMDRやMBCTを知ってる人を除外
・目を開けて,手をお腹に当てない(AB)
・MBCTの教示を最初に行う(AB)
・PC上のサークルを目で追うように(EM)

【結果】
(1)分散分析の結果,
AB=EM>RTT でワーキングメモリの負荷(RTとエラー)が確認された。
(2)鮮明さではAB=EM>RTT。情動性では交互作用なし。
(3)RT/エラーと 鮮明さの相関。
EMは負荷が大きいほど,鮮明さが低い(RT(r=-.29),エラー(r=-50))。

【考察】
EM(EMDR)のWM theoryは妥当。
ABでは,WM負荷を媒介しないかも。 
しかし,ABでもWMの負荷が見られたため,
WM theoryによって,MBCTを部分的に説明できる可能性もある。

※初投稿です。よろしくお願いします。
判断しない気づきや、ホームワーク、暴露的要素のウェイトなど
EMDRとmindfulnessには違いも多い。
mindfulnessでは、どんな刺激でも2重課題で触れることが、
判断しない気づきを促進するのか?


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