2011年4月21日木曜日

マインドフルネスとアルコール摂取との関連

Measuring mindfulness and examining its relationship with alcohol use and negative consequences.
Fernandez, C. A., Wood, D. M., Stein, R. A. L., & Rossi, S. J. 2010
Psychological of Addictive Behaviors, 24, 608-616.

【目的】
①Five Facet Mindfulness Questionnaire(FFMQ; Baer et al., 2006)の因子的妥当性の検討。②マインドフルネス,アルコール摂取,アルコールに関連する結果の関連をSEMを用いて検討。

【方法】
316名(女性177名,平均年齢22±0.41歳)の大学生が参加。参加者の95%が過去1年間に一回は飲酒。参加者はRCT研究(介入内容は,親への介入と動機づけ面接,詳細はWood et al., 2010)の46ヶ月後フォローアップに参加した者であった。

【測定指標】
①FFMQ:マインドフルネスを多側面(nonreactivity, act with awareness, describe, nonjudging, observe)から測定。
②Daily Drinking Questionnaire(DDQ; Collins et al., 1985):一般的な1週間の毎日の飲酒量を測定。
③Quantity-Frequency Questionnaire(Dimeff et al., 1999):過去1カ月における,最大飲酒量を測定。
④がっつり飲んだ日(男性5杯以上,女性4杯以上)
⑤Young Adult Alcohol Problems Screening Test(YAAPST; Hurlbut & Sher,1992):過去3ヶ月間におけるアルコールに関連する問題を測定。

【結果】
①確認的因子分析:因子間相関モデルでは、CFI=.94, RMSEA=.08であった。高次因子モデルでは,CFI=.92, RMSEA=.09であったが,‘Act with Awareness(r=-.26)’因子と‘Nonjudging(r=-.43)’因子がマインドフルネスと負の相関,他の3因子は正の相関を示した。
 →FFMQはマインドフルな人ほど,全ての因子で得点が高くなる。Baer et al.(2006)では瞑想経験者を対象としていたが,今回の参加者は瞑想経験が(比較的少)ない者であったことから,Baer et al.(2006)と同様の因子構造が得られなかった可能性。

②各変数間の関連
‘Describe(β=-.18, p<.05)’と‘Act with Awareness(β=-.17, p<.05)’がアルコール使用に影響。アルコール使用とアルコール関連問題の関係を統制後,‘Nonjudging(β=-.12, p<.05)’と‘Describe(β=.11, p<.05)’がアルコール関連問題に影響。
 →ここでは,マインドフルネスとアルコール関連問題に対する影響を検討しているが,なぜか…というのも測定しているアルコール関連問題は二日酔い,記憶喪失,学校をさぼるといったもので,マインドフルネスなスタイルをとることができるようになったことで,これらの問題が改善するかどうかは少し推測の域である。結果,‘Describe’に関して,アルコール使用には負の影響を与えているが,アルコール関連問題には正の影響を与えたりと,理論的な仮説が成り立たない結果となっている。
アルコール使用は潜在変数で測定指標の②~④が観測変数。

※アルコール使用とアルコール問題への‘Describe’因子の影響が異なることへの理解に苦しんでいます。何か理由があるのであれば教えていただきたいです。

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