2011年4月26日火曜日

不確実さ不耐性が不安・抑うつ症状を強めるプロセス

Intolerance of uncertainty, worry, and rumination in major depressive disorder and generalized anxiety disorder.
Yook, K., Kim, K. H., Suh, S,Y., & Lee, K. S. (2010).
Journal of Anxiety Disorder, 24, 623-628.

【目的】
不確実さ不耐性と不安・抑うつ症状の関連を心配・反芻が媒介するか検討

【方法】
調査協力者
-GAD,MDDのいずれか,または両者の診断基準を満たす71名
(女性52名,男性19名,平均年齢=38.6歳,SD=11.1)
-他の精神疾患が主診断であるものは除外

調査材料
①HAM-A:不安症状
②HAM-D:抑うつ症状
③IUS:不確実さ不耐性
④PSWQ:心配
⑤RRS:反芻

【結果】
ブートストラップ法による媒介分析
●不安症状
→不確実さ不耐性の直接効果あり (β=.33, p<.01)
→心配が媒介した際の間接効果が有意
  (不確実さ不耐性→心配:β=.60, p<.01, 心配→不安症状:β=.26,p<.01)

●抑うつ症状
→不確実さ不耐性の直接効果なし
→反芻が媒介した際の間接効果が有意
  (不確実さ不耐性→反芻:β=.49,p<.01,反芻→抑うつ症状:β=.49,p<.01)

※不確実さ不耐性は心配を介して不安症状に影響を与え,反芻を介して抑うつ症状に影響を与えるというプロセスが示された。

不確実さ不耐性が直接ではなく間接的に抑うつ症状に影響をあたえているという点に納得。反芻は近年うつ病研究の中で,認知的回避という位置づけ。不確実さ不耐性はうつ病の他の回避にも影響を与えそうな予感。CBASを用いて不確実さ不耐性と抑うつ症状と回避行動の関連を見てみたい。
 

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